今日からまたKindleを読みつくす、再開します。
止まっていた理由は、表題のロジャース本を精読しようとトライしたためです。
400ページ程度の、しかも1ページ1000文字の文字数が400ページなので、40万字。つまり
普通の本の4冊分ですね。しかも本人の著作集なので骨太。精読に2週間かかりました。。。
で、結局精読を辞めて、これまでの1回目速読、速読でマークしたところのに2回目精読、に
戻しました。そしたらサクサクまた読めるようになって。今、2冊目を読んでますが、昨日2時間
で半分読み終えました。
このシリーズはとにかく高いです。ただ、一読に値するとは思う。
3冊シリーズの1冊目なのですが、この本はロジャースが全米デビューした40歳前後(1940年
台前半)の作品の翻訳です。2冊目が50代、3冊目が60代、とだんだん彼の理論が成熟して
いく過程を追う感じのようです。
この1冊目は2つのパートに分かれます。
1.PCA(CCT)の進め方・流れに対する考察。PCAの効果に対する考察。
2.ブライアン・ハーバート氏(クライエント)の逐語記録
前半が230ページ、後半が160ページ。逐語記録が160ページもあるので、これがかなり
参考になります。で、前半の230ページにもミニ逐語記録が20前後あります。理論的な部分は
正直これまで紹介してきたPCA本の方が詳細だし、まとまっている感じがあるので、ここでは
僕が印象的だと思ったミニ逐語記録6選を書いていきたいと思います。
今日は1つ目。
―――
Co:今日はいろいろな事をよく話し合えたらと思います。
Cl:はい、昨日話しましたけど、僕はいつでも物凄く緊張していて、何か問題が起こるとどんな
に些細な事でもとても悪くなって、どうにも耐えられなくなるんです。僕は本当にそれを何とか
しなければならないんです。そうでないと大学の生活がダメになってしまうんです。僕は父の
金を無駄にはできないんです。
Co:君は本当にそうしたことが君の大学生活をとても邪魔している、と思っているんですね。
Cl:とても。とてもそうなんです。僕はいくつか科目を落としそうなんですが、落第したくないん
です。こんな感じにならなければ落第するはずないのですが。でもダメなんです。全然やる気
にならないんです。例えば僕は立つことができない。黒板のところに立って回答できないんで
す。問題は分かっているのに。名前を呼ばれるととても緊張してしまって、考えられなくなるん
です。まったく緊張のバランスがとれていないみたいなんです。
Co:どんなふうに?
Cl:僕はレストランに入るのさえ緊張するのですが、それがとても妙な感じで・・・やはりそれが
今突き付けられている問題なんですね。
Co:君は何とかしなければならない、ちょうどそこのところに来た、と感じている。
Cl:ええ、そうですね。確かに来てると思います。思い出すと12歳の時始めて作文を読むよう
に言われたんですね。僕は作文が得意でした。ただ、教室の前に出たら、手がなぜか震え
ちゃって、たっていられなくなったんです。それでとても恥をかいてしまって・・・。
Co:とても恥ずかしく思ったんですね。
Cl:ええ、とても・・・。
Co:どんなふうに?
Cl:僕は普通じゃないと思いました。誰だってこれくらいできるのに、僕はダメだったわけです。
―――
これ、比較的肯定的な例として挙げられているのですが、ほんとカウンセラーの口数が少ない、
というかスクールでこれやると、「もう少し伝え返ししましょう」と絶対言われるパターン。
ただ・・・僕は伝え返しの量や内容は、どうもクライエントによって切り替える必要がある、そう
感じてきています。1時間のセッションずーーーーっと話したいような、話すだけで自分で整理
が進んでしまって、自己解決できるようなクライエントにはまさにこのような伝え返しがいいと
思う。
一方でクライエントの葛藤が強い、若しくは何に不一致しているのかがあまり見えていない、
ただ、問題であることは感じている・・・というような場合、それは積極的な伝え返しが必要
だと思います。
また伝え返しの内容にも種類があると感じています。
1.単純にクライエントが発した言葉を繰り返す
2.クライエントの会話を要約して伝え返す
3.クライエントの会話をかなり整理して且つ言葉を選んで言い換える(クライエントの自己理解
促進を助けるためにクライエントの言葉を使わない。)
4.クライエントの会話から感じる感情、言葉で表現されていない思いを伝え返す(ある意味
飛躍と言える)
PCAで大事なのは、3.4ではないかとこの頃感じています。いかにクライエントの整理を助け、
且つ非支持である言い換えをクライエントが望む表現で伝えられるか。そして、飛躍のリスクを
おかしても、会話からカウンセラーが読み取った感情を表現して、クライエントに是非を問えるか。
違うなら、「そうじゃないんです。私は・・・」と言い返してくれると思うので。そして、自分はこの
3.4.があまり得意ではなくて、上記の逐語例のように、少ない言葉、ただ、クライエントが必要
としている言葉を絞って伝える、このパターンは得意。なので、たくさん話したい、若しくは
整理はある程度できていて、答えが欲しい、そういうクライエント(ロープレ)は大抵クライエント
役から称賛されます。一方で3.4.が必要なクライエント役さんや観察者からは「もう少し歩み
よりが必要では」「もっと話してほしかった」と言われる。つまりは相手のタイプを早くつかんで
この使い分けができるようになる、これが肝なのかなぁと思う今日この頃です。
ただ、まあそれができるようになるために、まず3.4.のスキル練習が重要だなぁと思って
います。そして、今その練習法をいろいろ構想中。。。