時事ネタ

大統領選挙について思った事 その3

このタイトルで連続シリーズを書こうと思っていたら途絶えてしまっていました。。。

今日は「アジェンダ」について。

二大政党制って、アジェンダがくっきり分かれるし、2つの政党の言っていることだけ

知ればいいので、かなり勉強しやすいというか知りやすいです。

で、主な争点をとても分かりやすく解説してくれているサイトがここ。

これバイブルですね。

まあどちらの記事も税金中心で書いていますけど、

共和党(トランプ):

1.減税・規制緩和

2.小さな政府(公共サービスの削減)

3.モンロー主義(孤立主義)の継続

4.アメリカファースト

民主党(バイデン):

1.増税

2.大きな政府

3.世界の中心への回帰

4.アメリカファースト

こんな感じだと思います。アメリカ産業についてはやり方は違うのですが、どちらも中国に

行ってしまった製造拠点をアメリカに戻そうとしています。つまりアメリカファーストは

どちらも一緒。まずバイデンがアメリカファーストじゃないと思うのは違うと思います。

そして、まず政策の前に一つ書きたいのは、なんでこんなに選挙がややこしくなるのか、

それはトランプというキャラクターのせいだと思っています。本来政策論争が中心になる

はずなのに、あのキャラクターというノイズがある。あのノイズがなければ結果はまた

違うだろうし、分断分断、不正不正騒ぐのではなく、もう少し建設的な議論・記事が増える

のではないだろうか、と。

なので、これ以降はトランプ対バイデンでなく、共和党対民主党、と書きます。

1.税金対策

共和党は減税・規制緩和押しです。これは4年前と一緒。2017年にかなり税制改革を

実現しましたが、さらに減税を進めるとしていました。それにより、個人収入・企業収益

を増やし、経済を活性化させる。

一方で民主党は増税です。ただし、増税の率は経済的弱者は微増、強者が激増です。

つまり民主党は税金面でも格差是正を目指しています。共和党も産業振興の面で

格差是正を打ち出していますが、税制的には全体的に税率を下げるものの、2017年

の減税は富裕層・企業に圧倒的に有利なものでした。結果格差がさらに広がったと

いう経緯があります。

ただ・・・難しいのは「消費」のロジック。年収500万の方が550万に増えるのと、年収

1000万の人が1100万に増えるのと、どちらが消費が増えるかという問題。僕はMS

にいたころ、シアトルに2か月半滞在したことがあるのですが、まあMSのUSの社員は

日本の社員より遥かに高給取りです。2000〜3000万はザラ。で、彼らって毎日のよう

になにか買ってきてました。生活必需に近い現金が増えるのと、余剰資金が増えるのと、

どっちがお金を使いやすいか、生活必需以外のサービスに金を使いやすいか、という、

このロジックをうまくついたのが共和党の政策だったと思います。

格差は増えたけど、リッチな20%がよりリッチになり、1%のスーパーリッチが圧倒的に

リッチになった。その結果、消費ががっつり増え、経済が良く循環した。

なので、経済面だけを見ると共和党の政策の方が結果は出ると思える。ただ、同時に

思うのは「人道的にどうか」という問題。上のURLでも表がありますが、2017年の減税

は、なぜか貧しい人が10%以上所得が減るという結果が出た、らしい。一方で上位

20%のリッチ層は2.3%所得が増え、1%のスーパーリッチは3.3%所得が増えている。

つまり税金だけ見ると、「経済振興」v.s.「格差是正」これが争点だったのだと思います。

ただ、民主党政策は上位20%、Top1%に対し、激しく増税します。何が起きるか、まあ

アメリカの経済は冷えるでしょう、じゃあ日本は影響を受けるか、受ける企業もあれば

受けない企業もあるでしょう。

2.政府のサイズ

共和党ははっきりと小さな政府に舵を切っています。オバマケアもつぶしたし、どんどん

「規制緩和」しつつ、公共サービスを消しにかかってる。まあ不勉強なので何とも言えない

のですが、不要な公共サービスが多いのかもしれません。

そして、これはアメリカでかなり評価されていたと思います。2019年までは。問題はコロナ。

コロナで小さな公共サービスが仇となり、アメリカはすさまじくパンデミック化。

一方で民主党は大きな政府を志向。これは今まで通りです。オバマケアも復活させる

だろうし、公共投資の額も尋常ではない。面白いのは民主党は増税するのに、財政

面でより悪化するのは民主党のようです。どちらも財政赤字は増えるのですが、民主党の

公共政策は半端ないので、財政赤字はより増える模様。

「小さな政府」v.s.「大きな政府」、この争点が2019年までと2020年で大きく国民の捉え方

が変わったのも今回の選挙の特色だったのではないかと。

アメリカ人は基本的に「自分の事は自分で守る」国民性だと思うので、老後の資金も皆

投資で稼いだり、失ったりしてるし、保険も皆個人で契約している。まあ投資で失敗すると

一生働く必要が出てくるわけですが、アメリカ人ってそもそもリタイヤ考えてない人も多い。

それに対し日本の今って、老後に関してはかなり国が生殺与奪の権利を持っている感じ

がします。GPIFが株を溶かしまくってしまったら。年金破綻ですよね。ただ、破綻しても

あまり気にする必要ないと思っていますが。僕だけが路頭に迷ったらつらいですけど、

みんな路頭に迷っていたら、それがニューノーマルなだけです。

なので、年金に支払うお金をアメリカ人は個人で株や不動産に投資しています。一方

日本は年金代を支払い、GPIFが代行して運用してなんとかしようという仕組み。個人的

には自己責任の方がいいのではないかと思います。ここ3年のバブルのような株高で

GPIF一気に残高が増えましたけど、僕が思うにこの増え方って素人でも増える増え方で

うまい人なら数倍うまくやれたし、ダメな人なら溶けただろうと思います。

年金は今後選択制にしてもいいかもしれませんね。GPIFに増やさせたければ支払う。

自分でどうにかするなら支払わない。ただ、寿命が延び、高齢化が進んでいるので、

金融工学的なからくりを使わない限り、一般経済的な考え方だけで考えれば、年金は

だんだん月の受給額は減っていく気がします。受給期間が増えるのだからまあしょうが

ないですよね。まあ金融工学的なからくりは今十二分に使われているし、今後さらに

使われるような気もしてて、なんかその見地からしてもそのからくりがうまくいく間は

何も心配いらない気もするのですが。

3.ひきこもるか、リーダーに戻るか

これも4年前と同じ争点。前回共和党が勝った直後、トランプは当初日本などの同盟

国から撤兵したがりました。世界的な治安を考慮しないなら、明らかにアメリカにとって

無駄金ですからね。いろいろな意味でモンロー主義を標榜し、無駄金を削ろうとした。

またリーダーの座を捨て自国ファーストのわがまま三昧。一方で民主党はリーダーへ

の回帰。ただ、これはなんとなく国内ではあまり大きなアジェンダではなかったのでは

ないかと思います。各個人の生活への影響ほぼないですからね。米軍や軍需産業で

働いていない限り。

で、争点を書いてみて、改めて思ったのは、これ争点だけで見ると、どちらをとるのか

すごい難しいと感じました。当然どちらも馬鹿じゃないんですよね。どちらも国民の

福祉に叶った政策を提案する。

今回に関しては、

・実を取る共和党

・平等をとる民主党

こんな感じがしていて、民主党の政策は確かに格差が是正されそうだけれど、経済に

どういう結果をもたらすのか、そこが未知数。一方共和党だとおそらく格差はさらに

広がるだろうけど、経済のかじ取りはうまそう。

うーん、トランプでさえなければもう少しこの争点を吟味して自分ならどちらを選ぶか

考えてみたくなるのですが、トランプのパーソナリティが大統領失格な気がして。

なので、反トランプ、という意味で、バイデン押しなのでした。

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