4月に以下の記事を書きました。
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GAFAからMAGAへ - ポジティブイノベーター トウゴのブログ!
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で、AppleとFacebookは脱落するだろうと予想したのですが、大きな見落としがありました!
それはFacebookがOculusのメーカーである事。
僕はITに関しては、「弱いAIとVRを制する者が勝つ」と信じています。
一般的に想起される万能型のAIは、AI業界では「強いAI」と呼ばれます。僕は強いAIの開発に関してはやるだけ無駄だと思っていて、そこに資金を投入しまくっている大手は徒労に終わると考えています。その理由は「強いAIが完成してしまったら、おそらくターミネーターやマトリックスの世界が完成してしまうから」です。強いAIが新しい神になり、人間社会をとても公平に幸せに導く可能性もあります。ただ、どちらにしても企業に対するメリットはほぼゼロです。世界が破滅するか全面的に幸せになる。後者であることを期待したいですが、私は人間の脳は今の技術が1兆倍くらい進歩してもハックできないと考えています。今の研究はそもそも根底のやり方が間違っている気がするのです。多分コンピューターの設計思想から見直さなければいけない気がする、そんな思いです。(ただ、グーグルのカーツワイル研究所はそこから取り組み始めている気はします)
一方、ほとんどのIT企業で行われているAI開発は「弱いAI」の開発です。弱いAIとは一つの能力にのみ秀でたAIの事。例えば将棋AI。将棋AIは日本一の棋士と互角の能力を持ちますが、将棋以外は何もできません。そして、弱いAIは今の技術で作れます。この弱いAIをニーズの高いジャンルを見つけ出して作りこむ、そのオリジナリティとスピードが各企業の勝利のカギになっています。
前振りが長くなりましたが、本題のVRを。
VR(仮想現実)は、VR・AR・MR・SRとどんどん枝分かれしていっていますが、大まかに言えば映画「アバター」の実現に近づきつつあります。また映画「マイノリティーレポート」で行われた仮想ディスプレイ上の操作については既に実現されています。私が見る限り日本は圧倒的にVR後進国だと感じますが、FacebookはOculusシリーズというVRヘッドセットを提供しています。これは安価版のOculus Goを除くと、どれも5万円以上するもので安くはないのですが、現在世界で100万台以上売り上げていて、おそらく2,3年で1000万台は軽く超えると思います。VRヘッドセット業界でOculusの評価・売り上げは突出しており、私はここを見落としていました(ものすごいミステイクですw)。つまり、Facebookは今後も伸びる。
それを考えると、今のGAFAMの中で近い将来脱落するのはAppleだけということになります。
そして、世界のIT業界でアメリカ以外で急成長しているのは中国です。
ご存じの方も多いと思いますが、現時点でBATと呼ばれています。
B:百度
A:アリババ
T:テンセント
です。売上高の伸び率でいうと、
百度:5.0%
アリババ:50.6%
テンセントが31.5%
アリババが圧倒的です。テンセントもとても優秀と言えるでしょう。一方GAFAMは、
Google:18.3%
Amazon:20.4%
Facebook:26.6%
Apple:-2.0%
Microsoft:14.0%
一目瞭然ですが、今期はコロナの影響をどこも受けるので置いておいて、来期も同じ売上高成長であれば、もはやGAFAMと呼べないでしょう。私は現時点でMAFGだと考えています。
で、中国ももはやBATではなく、AT。GAFM+ATの6強で世界は今後10年間回っていくと思います。おそらくアメリカの4社が欧州+米+日本で勢力を伸ばし、中国の2社が中国+アジア+アフリカ+南米で勢力を拡大していくと思います。そして、欧州+アメリカ+日本って今後それほどストレッチしないと思うんですね。ビジネスが。既にITの普及は進み切ってるし、たとえばクラウド・SaaSは日本はAmazon・Microsoft・Googleに制圧されました。
ただ、今パブリッククラウドオンリーの限界がはっきりと見えていて、パブリッククラウド+プライベートクラウドのハイブリッドクラウドが今後5年、10年の柱になっていく。そして、プライベートクラウドはほとんど日本は日本のメーカーを活用する(OS・仮想基盤部分を除くサービス。正直アメリカのメーカーでは日本人のかゆいところに手が届かない)。おそらくヨーロッパも同様だと思います。
一方、アリババは既にアジア制圧に向けた具体的アクションを始めています。アリババのCEOは「インフラが弱い国であればあるほどアリババの強みが生きる」と豪語していますが、おそらくアジア・アフリカの途上国はアリババが支配的になり、比較的先進国はテンセントを利用するようになる気がしています。アリババ・テンセントは国策が生きるので、価格競争だとアメリカに勝てると感じるからです。ATの懸念は戦争と政治孤立だけだと思っています。
以上から、近い将来、FAGMATと言われる時代が来る気がします。Facebookさん、ごめんなさいw