時事ネタ

アメリカがアジアから締め出される日

久々の時事ネタチェックの日記です。

金曜日に香港株が5%近く急落しました。アリババ、テンセントを2200万持っている自分もしっかりマイナス100万。

で、なんでだろう?と思っていたのですが、FXのサイトにこんな記事がありました。

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中国の年に1度の全国人民代表大会(全人代)が22日に始まりました。日本の国会に相当する重要会議で、新型コロナウイルスの影響で3月から延期されたものです。全人代は香港で反政府運動を取り締まるための新たな法整備に着手。香港国家安全法を通過させる計画です。

1997年の香港返還後の「一国二制度」の転換点になる可能性があります。アメリカのトランプ大統領は、香港の統制強化が実行された場合は「極めて強力に対処する」と述べました。アメリカ上院は対中制裁法案の準備に入りました。

ニューヨーク・タイムズは、アジアの金融ハブではなくなるとの警戒感で香港の株式相場が急落したと伝えました。ビジネス界と投資家は、経済大国の中国と世界を結ぶ架け橋としての香港の役割が終わると懸念しているとしています。

ワシントン・ポストは、香港国家安全法が成立すれば、秘密警察、監視、任意の拘束、学校でのプロパガンダ(政治宣伝)が香港で実行される可能性があると報じました。ポンペオ国務長官は中国による統制強化は香港の「死刑」を意味すると批判したとしています。

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ああ、世界の資産家がリスクヘッジで資産を一部引き上げたから一気に5%落ちたのか。

特にアメリカの資産家が引き上げたんだろうなぁ、と思いました。

で、アメリカは中国を孤立させようと躍起になっていますが、香港の新規上場はこんな感じです。

このうち、リタミックス、リムバコがマレーシア、ラッフルズがシンガポールの企業です。なので香港は日本、韓国、インドを除くアジア全体の金融市場です。

アメリカはそろそろ驕りに気づくべき時が来ていると思います。自分たちがNo.1ではなく、既に「No.1グループ」に落ちているという事実に。

アメリカと中国が今のNo.1グループ。

そして、アジアは既に日本、韓国、インドを除けばほぼ中国の手中に落ちています。ただ、日本も東京の不動産がどんどん中国の富裕層に買収されていて、自分は吉祥寺の近くに住んでいますが、吉祥寺は週末中国人が一杯。実質的に中国富裕層の別荘・移住先として東京が選ばれている気がしています。

とはいえ、中国人でも富裕層が増えるなら大きな問題はないと考えています。内需にかなりプラスに寄与し、富裕層は教育もしっかりされているので社会に問題も起こさない。まあ中国語は会話のうるささが特徴と感じるので、電車内でも「うるさいなぁ」と思いますが、それは言語の特徴なのでしょうがない。

で、アメリカは中国・香港に圧力をかける可能性がありますが、圧力をかけたら何が起きるか。

・おそらくアメリカに上場した中国企業は全部引き上げて香港に移る→アメリカ人の投資チャンスが減る

・香港からアメリカが締め出される。厳密に言えばアメリカ国籍の投資家は締め出される→一時的に香港市場は大ダメージを受けるが、逆にアメリカ以外の国々から見れば大きなチャンスとなる。

こうなると思うんですね。中国に辟易としている国々は多いですが、同じようにアメリカに辟易としている国々も多い。日本人もそうではないでしょうか。少なくともアメリカ資本の会社に勤めている方々は「上納金を大量に持っていく卑しい国」と感じていませんか?(おそらく日本企業もアジアの国々からそう思われている)僕はMSに働いていた時、「いくらソフトウェア開発元がアメリカだからって、7〜8割の日本の利益を持っていき、さらに円安になってもゴールを下げない(結果実質ゴールが上がる)というのはおかしくないか?」と思ってました。給料についても同じ仕事をしていても僕は1500万円、アメリカ人は3000万円。彼らはシアトルの田舎で働いているので不動産が東京とは比べ物にならないほど安い。だから実質賃金差は同じ仕事で3倍くらいと感じていました。

あと問題になるのは、中国の政治体制ですよね。共産党の一党支配。これは確かに危うい。ただ、これについては、銀河英雄伝説をご存じの方はこれを引き合いに出せばうなずいてくださる方もいらっしゃると思うのですが、今の中国対アメリカってラインハルト登場前の「銀河帝国 対 自由惑星同盟」そっくりだと。どちらも今一つなので拮抗しているけど、もし中国にラインハルトが登場したら、おそらくあっという間に中国が世界を統一する、そんな気がするのです。しかもラインハルトは名君なので、世界全体は帝政になるけどいい方向に進む。

一方、主人公のヤン・ウェンリーのように、「いかに衆愚であろうと、自分は民主主義を選ぶ」という人も当然いるでしょう。僕もどちらかと言えばそのタイプでした。が、今はあまりこだわらなくなりました。「どのような政治体系であろうと、たくさんの人が幸せでいられるならそれでよい。」と。で、今の中国って上海に行けば分かりますけど、日本で思われているほど息苦しくないんですね。一部サイトはアクセスできませんが、それだけです。普通に日本のデパートはあるし、コンビニもある。牛丼も回転寿しも食べれます。上海に1週間滞在した時、あまりに東京と変わらない繁華街(というかかなり東京の完コピ)とかなり落差がある郊外(一時間バスで外に出るとど田舎)のギャップに驚きましたが、住みづらさは全く感じませんでした。ああ、ここはアクセスできない、ここはアクセスできる、そのチェックはしましたが。あとまあ中国で困ったのは横断歩道でも車は全く止まらない、それくらいでしょうか。

で、じゃあアメリカは本当に自由かというと、これも嘘です。アメリカにはFBIがあります。そして悪しきパトリオット法がありました。パトリオット法は、2015年に失効したので今はありませんが、こんな法律でした。

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パトリオット法は、米国内外のテロリズムと戦うことを目的とした米国の法律です。2001年に米国で発生した同時多発テロ事件後に、捜査機関の権限を拡大する法律として成立しました。

情報通信の分野についての主な点は、電話回線の傍受に加えてISPにおける通信傍受も可能となり、捜査令状により電子メールやボイスメールを入手でき、またテロ活動の防止を目的としていれば捜査機関が金融機関やネットサービス企業に対してプライバシー情報の提出を求めることも可能になった点などです。

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つまり、FBIが好きにクラウドの機密データにアクセスすることができました。2015年まで。今がどうかは定かではありませんが、当時はとてもひどかったことがエドワード・スノーデンにより内部告発されています。

エドワード・スノーデンによる内部告発

で、私が2011年当時とても驚き、「ああ、これじゃクラウドはダメだ」と思ったのが以下の記事でした。

2011年のAmazonの対応

2011年当時、Amazonは「東京データセンターでさえもパトリオット法の範囲内だ」と宣言したんですね。日本国内でアメリカ法を適用するなんて治外法権もいいところ。ありえません。で、日本で大反発を受け、慌てて撤回。今は日本法の適用範囲になっています。

そして、エドワード・スノーデンは内部告発の結果命を狙われた。

つまり、中国共産党とやってること変わらないわけですよ、アメリカも。日本は本当に平和で素晴らしいと思います、いろいろな観点で。

そして、もしラインハルトが中国に現れたら、彼はヤン・ウェンリーを部下にしようとしたくらいなので、言論統制はしないでしょう。逆に耳に痛い言動の方を大事にする。それを考えると、今のアメリカ対中国の状況、日本は既にその戦いに経済でもみつどもえになれない国になってしまいましたけど、どちらに転んでもいい気がするんです。日本に有利な結果をもたらしてくれる方につけばいい。

まあ、まとめになりますが、ここ数年はアメリカと中国の封鎖合戦となり、結果アメリカ側対中国側に分かれるか、若しくはアメリカ対中国の対決になるけど、他の国々は「第三者」として両方に是々非々につく、どちらかになると思います。僕の予想は後者。特に日本は政治的には形而上アメリカにつき、経済的には両国とバランスよくやり取りを続ける(今の継続ですね)。結果として起きるのは両国の疲弊。そこにインドが割り込んでくると世界は面白くなる、そんな風に今日は感じました。日本も人口ピラミッドの改善に着手できればRising Sun Againはあり得ると思っています。

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