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その77 ロジャースの中核三条件 一致 その2

その2ではまず一致を描写した引用の抜粋をします。

・一致を目指すという事は、いかに不一致であるかに気づくという事

・自分自身の感情に感受性豊かに気づくことができて、それを受容できている

・自分自身に無条件の積極的関心・共感的理解を示す

・自由にかつ深く自己自身であり、現実の体験が自己認識によって正確に表現される

・自身の内面で瞬間瞬間に流れつつある感情や態度に十分に開かれており、ありの

ままである

・自分の体験過程を意識化している事

・自己経験が正確に抽象化され、自己概念に含まれる状態

・ありのままの自分と知覚している自分が一致している事

・自己概念と自己経験の不一致が自己経験を否定したり歪曲する

・不一致とは体験を適切に象徴化していない事

・不一致をカウンセラーが自覚する事、不快感を引き起こしている体験全体に注意

を向ける事

・「怒っている」と言いたいのか、「イライラする」「残念だ」と言いたいかに気づく事

・(一致を目指すとは)感じている事を表現するふさわしい言葉を探す事

ロジャースと言えば中核三条件で有名ですが、彼が「カウンセリングの条件」として

提示したのは実際は6条件。その中のカウンセラーの態度として三条件がとても

重要という事で抜き出されたのが中核三条件です。6条件は以下になります。

1.カウンセラーとクライエントの二人作業である

2.クライエントが不一致である

3.カウンセラーが一致している

4.カウンセラーが無条件にクライエントに積極的な関心を向けている

5.カウンセラーがクライエントに共感的な理解を持つ

6.カウンセラーが学術的に十分な知見を持つ

個人的には「一致」という言葉がどうかなぁ?と感じています。「真実性」という

言葉が一番近い気がします。一致へのマイルストーン、その最大公約数は、

1)まず今の感情・思考自体に気づく

2)その感情・思考の源泉を洞察する

3)洞察結果にもっとも整合する言葉を探し、適用する

4)その言葉の示す感情・思考を受容する

ここまでだと思います。

傾聴の目的は、クライエントが自分自身の力で受容まで進む事を手助けする

事だと思っています。

カウンセラーは4)までの条件を備えている、若しくは備える事を目指し、

そのうえで

Co(カウンセラー) Ver.

5) 自分のクライエントに対する感情や支持的な思考を少しわきに置く

(客観性・非指示)

6)わきに置いたうえで、残った自分のありのままでクライエントと接する

また、1),2),3) については「どうやって?」というのを身に着けるのが大変だと

思います。まあ、それをここで書くと文量が凄い事になるので、書評とは

別の場所(おそらくプレミアカウンセラーへの道)でいつか書きたいなぁと。

もちろん、まだ結論は全然出てません。ただ、優秀なカウンセラー陣には

おそらくこの方法にも最大公約数を見いだせる気がしていて、僕はそれを

今後数年かけて見つけ出していく、そんな作業を始めたところです。

一方で、ロジャースの6条件で気になるのは、2.です。

「クライエントが不一致であること」

これはそうとは言えないよな、と思っています。一致していても選択に

迷い相談することがあると思いますので。なので、

2.クライエントが具体的に選択に対し葛藤している、若しくは無意識的に

葛藤している事

ではないかと。不一致はその葛藤の1ケースだと思います。

なので、

Cl Ver.

0)意識、無意識的に葛藤している

1)まず今の感情・思考自体に気づく

2)その感情・思考の源泉を洞察する

3)洞察結果にもっとも整合する言葉を探し、適用する

4)その言葉の示す感情・思考を受容する

ではないかと。

で、ロジャースの理論である「来談者中心療法」、英語だと

CCT(Client Centered Therapy)、PCA(Person Centered Approach)

のいずれかで呼ばれ、大抵の本ではPCAと略称されます。

PCAの技術は、クライエントを4)まで導く事であり、そこから先は全部

クライエントに任せる。なので、ほぼアドバイスしない、不指示である、

これがPCAの基本姿勢です。

僕がカウンセリングを鬱時代に受けた時はこの「不指示」が辛かった。

アドバイスをもらいに行ってるのにオウム返しの連続で、「〜だと

思っているんですね」ばかり。もうイライライライラしましたw

ただ、傾聴を学び始めたばかりですが、そもそもオウム返しにも

効果的な技術があるのですよね。

・クライエントの言葉を効果的に繰り返すケース

・言い換えるケース

・一定のタイミング・区切り毎に整理・総括の意味でこれまでを

要約するケース

既に熟練の複数のカウンセラーのカウンセリングを何度か見ていて

感じるのは、「全く同じ言葉をそのままオウム返しする事はとても少ない」

という事です。

PCAの基本姿勢、これはとても重要だと思いますし、少なくとも数回の

カウンセリングはこの姿勢を大切にした方がいいかもしれないと考えて

います。企業での先輩(コーチ)として僕は「驚きを与えるアドバイス」

が得意でしたが、まあそれはPCAだけでは難しいと感じた時に初めて

繰り出す奥義でよいのかなぁと。

若しくはPCAを基本姿勢と考えるカウンセラーのスタイルと、アドバイスを

中心とするコンサルタントのスタイル、まあカウンセリングの技法を学ぶ

中で後者を中心とする技本でとてもよいと感じるものがあれば、2つの

姿勢を柔軟に使い分ける事もありかなぁと思ってます。

最後に現時点で以下に関するHowの回答で感じている事。

1)まず今の感情・思考自体に気づく

2)その感情・思考の源泉を洞察する

3)洞察結果にもっとも整合する言葉を探し、適用する

3)はおそらくNLPが一番いい気がする。

1),2) は各セラピーで大きく異なる。なので各セラピーの

・根底にあるアイデア

・具体的な手法

・豊富な例

・最大公約数と公約数に入らない部分の整理

これを纏めたいと思っています。まずは豊富な例の収集からですね。

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