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その15 石川啄木 ローマ字日記 Part15

十九日 月曜日

下宿の虐待は至れり尽せりである。今朝は九時頃起きた。顔を洗って

きても火鉢に火もない。一人で床を上げた。マッチで煙草をのんでいると、

子供が廊下を行く。言いつけて、火と湯をもらう。二十分も経ってから飯を

持ってきた。シャモジがない。ベルを押した。来ない。また押した。来ない。

よほど経ってからおつねがそれを持ってきて、もの言わずに投げるように

置いて行った。味噌汁は冷たくなっている。

窓の下にコブの木の花が咲いている。昔々、まだ渋民の寺にいたころ、

よくあの木の枝を切ってはパイプをこしらえたものだっけ!

女中などが失敬な素振りをすると、予はいつでも、「フン、あの畜生!

俺が金をみんな払って、そして、奴等にも金をくれてやったら、どんな顔

をしておべっかを使いやがるだろう!」と思う。しかし、考えてみると、いつ

その時代が俺に来るのだ?

「小使豊吉」後に「坂牛君の手紙」と題を改めて書き出したが、五行も書

かぬうちに十二時になって社に出かけた。

変ったことなし、老小説家三島老人が何かと予に親しみたがってる様子

が面白い。給仕の小林は、「あなたがスバルという雑誌に小説をお書きに

なったのは何月ですか?」と聞いていたっけ。

帰ってきて、「坂牛君の手紙」をローマ字で書き出したが、十時頃には

頭が疲れてしまった。

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十九日は内容の少ない1日でしたね。

それにしても12時になって出社って重役出勤だなぁw

でも女中の失敬なそぶりはおそらく啄木が失敬だから、そのお返し

なんだろうなぁと思いました。

丁寧な対応をしていたら、いつも金欠でもそんなにひどい対応には

ならない気がする。しかもそれを虐待ってww啄木面白い。

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