今日は第2巻。

この巻では元部下のルシフェルが敵として登場します。
人の恐怖が魔力源となる事を知ったルシフェルは強盗を繰り返して、魔力を
蓄えていた。そして、千穂がフラれたと勘違いし絶望に駆られている状況・
発生している強い魔力を利用し、魔王に下克上を図る。
魔王・エミリアはやむやく共闘。笹塚駅前まで逃げ、瀕死の重傷を負うもの
の、そこでルシフェルの攻撃を見た人々の恐怖でとてつもない魔力を得た
魔王・アルシエルは完全復活。ルシフェルをぼこぼこにする。
で、ルシフェルは漆原半蔵という名前で魔王の家にニートとして居候する
事になる。
この巻のあらすじはこんな感じですが、
・一生懸命まじめに働いて、世界を制覇したいという魔王の欲求
・魔王は世界制覇という野望はずっと持ち続けているが、人間を殺戮する
ことを企図していたわけではなかった
・部下の不手際とはいえ、自分がボスである以上、やってしまったことの
責任は一生負うし、償うつもり
これをエミリアは知り、彼女の苦悶が始まります。父の仇である魔王が
本当は悪じゃないなんて、困る。とことん悪であってくれれば容赦なく殺す
ことができる。でも自分の目の前にいる真奥貞夫はとても誠実で仲間思い
の男。実行力もある。自分に今のこの和やかな関係を壊せるのか?
それに少しずつですが困り始めるのがこの巻ですね。
昨日の敵は今日の友、となっていくのは少年誌の王道ですが、この漫画
も例に洩れません。ただ、この漫画では魔王の許す寛大な姿勢がしっかり
描かれているので、この王道が不自然じゃないんですよね。
敵を許すという事ってとても難しいことだと思います。実害も受けてるわけ
ですからね。でも、魔王は感情に訴えるものがある、もしくは実利がある
場合、あっさり受け入れる、その器の大きさが魔王たるゆえん、という
感じをしっかり表現できている。それがこの漫画の良さの一つだと思います。
ルシフェルの場合は、
・一人ぼっちになってしまった→しょうがないという否定的受け入れの気持ち
・また大暴れされても困る→元部下の失態に対する責任感
・情報収集能力が高い→魔力調査要因として使えるという実利
これらが働いて居候させることになりました。
まあライトノベルでしっかり描かれているからこそ、漫画はそれを必要な
部分だけ描写する、という感じでうまくいってるのかな、そう思いました。